2021
Oct
19
-
令和3年度 宅地建物取引士資格試験 「権利関係(問1~14)」の問題分析〔その3〕(問7~10)
《問7 契約不適合責任》 ☆難易度 ⇒ 比較的、難しい
肢1と肢2は基本的な知識なので間違えられないところです。
肢3は、催告による解除が必要となる場合があるのを思い浮かべて、×としたいところです。
肢4は、民法576条の内容ですが、宅建試験レベルでは激ムズなので、分からなくても仕方ありません。
《問8 工作物責任》 ☆難易度 ⇒ かなり簡単
肢1は、占有者の責任なので、必要な注意をすれば責任を負わないこともありますが、「注意をしなかった」のであれば不法行為責任を負います。ということで、これだけで×をつけることができ、正解にたどり着けます。
肢2は、所有者の責任についての記述で、ごく基本的な知識です。
肢3と肢4は、いずれも不法行為の消滅時効期間の問題ですが、問題本文に「通行人Bがケガ」とありますので、身体損害になります(こういうところに気づかない受験生がかなりいるんですよね・・・)。したがって、5年と20年の組み合わせになりますので、いずれも〇となります。
《問9 相続》 ☆難易度 ⇒ 普通
法定相続分の問題ですが、死別と離婚と再婚が絡むという何とも現代的な問題です(笑)
この問題のポイントは、再婚後の連れ子は(養子にしない限り)子どもではない(=相続しない)ということと、親権は相続に影響しないということの2点です。この2点は、当たり前といえば当たり前なのですが、変に勘ぐってしまうと間違えてしまいます。
したがって、一見ややこしそうですが、実は、超シンプルな問題だということになります。変に勘ぐって難しく考えた受験生の方は、出題者の術中にはまってしまったというわけです。
ということで、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」的な問題でした。
《問10 選択債権》 ☆難易度 ⇒ 激ムズ
選択債権というマニアックな分野だけで丸々1問作るという予想だにしない問題ですので、解けなくても仕方がありません。
ちなみに、問10は、契約によって選択債権としたケースでしたが、法律の規定によって選択債権となるケースは思いつきますか??
答えは・・・・
無権代理人の責任追及や賃借人の有益費償還請求などの場面です。
- 関連記事
-
- 令和3年度 宅地建物取引士資格試験 「権利関係(問1~14)」の問題分析〔その4〕(問11~14) (2021/10/19)
- 令和3年度 宅地建物取引士資格試験 「権利関係(問1~14)」の問題分析〔その3〕(問7~10) (2021/10/19)
- 令和3年度 宅地建物取引士資格試験 「権利関係(問1~14)」の問題分析〔その2〕(問3~6) (2021/10/18)
- 令和3年度 宅地建物取引士資格試験 「権利関係(問1~14)」の問題分析〔その1〕(問1~2) (2021/10/18)
- 令和2年度宅建試験の合格発表がありました! (2020/12/02)