2021
Oct
18
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令和3年度 宅地建物取引士資格試験 「権利関係(問1~14)」の問題分析〔その1〕(問1~2)
《はじめに》
令和3年(2021)年10月17日、「令和3年度宅地建物取引士資格試験」が実施されました。
受験された皆様、まずは本当にお疲れ様でした!
気になる合格ラインについては、昨年度(合格点38点)よりも全体としてかなり難しくなったことから、35点前後になりそうというのが大方の予想ですが、果たしてどうなるのでしょうか?
ということで、今年も、宅建試験の権利関係(問1~14)の問題について、4回に分けて簡単に分析コメントをしていきます。
「その1」では、問1と問2を見ていきます。
《問1:同時履行の判決文問題》 ☆難易度 ⇒ 普通
「いきなり判決文問題かよ」という感じですが、判決文がとても短く、判決文がなくても知っている基本的な知識である「敷金返還は同時履行の関係には立たず、明け渡しが先」という視点一本で何となく解けてしまう問題です。
肢1は、「取得する余地はない」と強く言い切っているので〇にしにくいのですが、最高裁がこう言っています・・・。ですので、受験生としては、少なくとも〇寄りの△で肢2以降に移りたいところです。
肢2は、文章表現は難しいですが、1個の双務契約だと同時履行になってしまうということで、×寄りに考えたいところです。
肢3は、明け渡し完了までをケアするのが敷金という基本知識を押さえていれば×にできます。
肢4は、明け渡し完了までをケアするのが敷金と言いながら、同時履行にするのはおかしいので×にできます。
《問2:連帯債務》 ☆難易度 ⇒ 比較的、簡単
連帯債務の基本知識である、原則は相対効で、例外的に4つ(弁済、相殺、更改、混同)が絶対効というところが分かっていれば、肢1と3が相対効で〇、肢4が絶対効で〇とすることができます。
そして、残る肢2は、B自身が相殺しない場合には、他の連帯債務者であるCはBの負担部分の限度で履行を拒めるというのが正しいところ、「相殺する旨の意思表示をすることができる」という表現になっています。Cができるのは履行拒絶までで、相殺自体はできませんので、肢2が×となります。
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