2021
Jun
17
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賃貸借契約の際の「残置物の処理等に関するモデル契約条項(ひな形)」が策定されました
《策定された背景》
賃貸住宅において、賃借人が死亡すると、「賃借権」と「物件内に残された家財(残置物)の所有権」は相続人に引き継がれることになりますが、相続人の有無や所在が分からない場合、「賃貸借契約の解除」や「残置物の処理」が困難になることがあります。
このようなリスクがあるために、特に、単身の高齢者に対して、賃貸人が建物を貸すことを躊躇する問題が生じています。
《どのように対策すべきか》
賃借人の死亡時に、契約関係及び残置物を円滑に処理することができるように、賃貸借契約の締結にあたって、賃借人と受任者との間で、①「賃貸借契約の解除事務の委任に関する契約」と②「残置物の処理に関する死後事務委任契約」を締結しておくことが有効とされています。
具体的には、①賃貸借契約の解除に関しては、賃借人の死亡時に賃貸人との合意によって賃貸借契約を解除する代理権を受任者に与えるという内容です。そして、②残置物の処理に関しては、賃借人の死亡時における残置物の廃棄や指定先への送付等の事務を受任者に委託し、賃借人は、「廃棄しない残置物」(相続人等に渡す家財等)を指定するとともに、その送付先を明らかにします。受任者は、賃借人の死亡から一定期間が経過し、かつ、賃貸借契約が終了した後に、「廃棄しない残置物」以外のものを廃棄するという内容です。
これらの内容に関するモデル契約条項が、国土交通省および法務省により策定されましたので、以下にリンクを張っておきます。
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