弁護士上田孝治の“ 法律あれこれBLOG ”

最新のニュースを法律的に徹底分析・解説!宅建業・不動産・相続に関する実務や不動産関連資格取得に役立つ情報を提供! and more・・・

-

《宅建試験対策4》無権代理人の責任(代理)に関する民法改正

無権代理人の責任(表)

≪改正されたポイント≫

 無権代理人と取引をした相手方を保護するための方法の一つとして、無権代理人の責任を追及する方法があります。具体的には、取引をした相手方は、無権代理人に対して、無権代理によって行われた契約の履行あるいは損害賠償請求をすることができ、これ自体は改正前後で変わりません。

 改正されたのは、この無権代理人の責任追及ができるための要件です。改正前は、「実は無権代理」ということについて、相手方が善意かつ無過失であることが責任追及をするための要件とされていましたので、「実は無権代理」であることに相手方が気づけた(つまり過失あり)ような場合には、無権代理人の責任追及はできませんでした。

 これに対して、改正後は、相手方が善意かつ無過失であれば責任追及できること自体は変わりませんが、これに加えて、無権代理人自身が無権代理であると分かっている場合には、相手方が善意であれば(つまり、相手方に過失があっても)、無権代理人の責任を追及できることになりました。結局、相手方が、無権代理人の責任を追及できる場合が広がったことになります。

 この改正は、要件について場合分けをしないといけませんので一見すると覚えにくいですが、無権代理人と相手方のどちらをどう保護すればよいかというバランス感覚で見ると、難しくはありません。無権代理であると自覚している(悪意)無権代理人と、無権代理であることを知らなかったが気づくことができた(善意・有過失)相手方とを比較すれば、相手方の方を保護するのはバランス上もっともと言えるからです。



関連記事
My profile

Author : 上田 孝治(Koji UEDA)

‣2003年 弁護士登録
‣神戸さきがけ法律事務所 代表弁護士
‣宅建試験対策講座 講師
‣芦屋市都市計画審議会 委員
‣国民生活センター 客員講師
‣兵庫県サイバー犯罪対策ネットワーク 特別会員

リンク

兵庫県神戸市中央区播磨町49番地  神戸旧居留地平和ビル7階      TEL 078-381-5065

BLOG Ranking 参加中

クリックお願いします!

お問い合わせ

名前:
メール:
件名:
本文: