2020
Mar
15
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《宅建試験対策3》復代理人の行為についての責任(代理)に関する民法改正
≪改正されたポイント≫
本人から任せられて代理人となることを引き受けたいわゆる「任意代理人」は、本人のOKがあるときか、やむをえない事由があるときのいずれかでなければ、復代理人を選任することはできません(この点は、改正前後で変わりません。)。
そして、この復代理人を選任できる2つのケースにおいて、復代理人が何か間違ったことをした場合、改正前は、任意代理人は、①原則として、その選任及び監督についてのみ本人に対して責任を負うこと(つまり、比較的軽い責任しか負わない)、②例外として、任意代理人が本人の指名に従って復代理人を選任したときは、任意代理人が、復代理人が不適任・不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知することや復代理人を解任することを怠った場合のみ責任を負うこと(つまり、非常に限定的にしか責任を負わない)とされていました。試験対策的には、この①と②の区分を覚えるのがなかなか面倒でした・・・。
しかし、改正により、復代理人が何か間違ったことをした場合の代理人の責任の規定(上記の①と②の区分)はすべて削除されましたので、この①と②の区分を覚える必要はなくなりました。
その結果、改正後は、復代理人が何か間違ったことをした場合、本人と任意代理人との間の代理に関する契約(委任契約)の趣旨に従って任意代理人が果たすべき義務を果たしたかという債務不履行の一般的なルールに従って処理されることになります。つまり、改正前のように、復代理人の行為についての任意代理人の責任が限定されるわけではありませんので、任意代理人の責任が拡大した(例えば、「復代理人の選任と監督さえしていれば、任意代理人は責任を負わない」とは言えません)ということになります。
なお、「法定代理」の場合の、復代理人の行為に関する代理人の責任については、改正による変更はありません。
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