2020
Feb
12
-
2020年4月から、不動産賃貸借契約における連帯保証人の極度額をいくらにすればよいか?
2020年4月から、いよいよ改正民法がスタートします。改正の中には、個人根保証において極度額(要するに、「保証人の責任は〇万円まで」という上限)を定めていない場合、個人根保証契約を無効とする(つまり、保証人として責任を負わなくてよい)という規定があります。
不動産賃貸借契約で言えば、これまでは特に上限を定めない形で、賃借人の身内や知人などの個人が連帯保証人となり、賃料の滞納などがあった場合には、保証人に支払をしてもらうということが当たり前でした。しかしながら、2020年4月以降は、賃貸借契約においてこれまでのような上限の定めのない個人の連帯保証では保証契約として無効となりますので、保証人がいないのと同じことになってしまいます。
そこで、保証契約において極度額を定めるとして、具体的にどのくらいの額にすればよいのかは非常に悩ましいところです。この点に関して、一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)が、会員を対象としたアンケート調査を実施し、その調査結果が公表されました。これによると、賃料5万円と仮定した場合、30万円以下が16%、30万円超~60万円以下が25%、60万円超~120万円以下が30%、120万円超~180万円以下が4%、180万円超が5%で、多くの会員が「賃料の2年分である120万円」もしくは「賃料の1年分である60万円」と回答したとのことです。ただ、中には、「借主が火災保険に無加入である場合は、万一の損害に備えてある程度の金額は必要」という理由で、2000万円という回答もあったようです。
というわけで、アンケートの結果からは、賃料の2年分までが相場ということになりそうですので、実務的にはこのような流れになると思います。もっとも、民法上は、極度額を定めればいいとされているだけで、金額的にいくらまででなければならないという制限は明記されていません。となると、「大は小を兼ねる」で、とにかく高めに極度額を設定しておけばいいのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、あまりにも極度額が高額過ぎる(この線引き自体がまた難しいのですが・・・)ということになると、極度額の定め自体が公序良俗違反などで効力が否定されることになり、結局、保証契約が無効になってしまうリスクがあります。
なお、改正民法は、基本的に2020年4月以降の契約に適用がありますので、逆に言えば、2020年3月以前の契約については改正前の民法のルールに従うことになります。悩ましいのは、2020年3月以前の賃貸借契約が4月以降に更新された場合ですが、保証契約について「合意による更新」があった場合は、新たな契約と評価して改正民法に従うことになり、自動更新の場合は、新たな契約とは評価できずに、改正前民法に従うことになるのではないかと思います。
不動産賃貸借契約で言えば、これまでは特に上限を定めない形で、賃借人の身内や知人などの個人が連帯保証人となり、賃料の滞納などがあった場合には、保証人に支払をしてもらうということが当たり前でした。しかしながら、2020年4月以降は、賃貸借契約においてこれまでのような上限の定めのない個人の連帯保証では保証契約として無効となりますので、保証人がいないのと同じことになってしまいます。
そこで、保証契約において極度額を定めるとして、具体的にどのくらいの額にすればよいのかは非常に悩ましいところです。この点に関して、一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)が、会員を対象としたアンケート調査を実施し、その調査結果が公表されました。これによると、賃料5万円と仮定した場合、30万円以下が16%、30万円超~60万円以下が25%、60万円超~120万円以下が30%、120万円超~180万円以下が4%、180万円超が5%で、多くの会員が「賃料の2年分である120万円」もしくは「賃料の1年分である60万円」と回答したとのことです。ただ、中には、「借主が火災保険に無加入である場合は、万一の損害に備えてある程度の金額は必要」という理由で、2000万円という回答もあったようです。
というわけで、アンケートの結果からは、賃料の2年分までが相場ということになりそうですので、実務的にはこのような流れになると思います。もっとも、民法上は、極度額を定めればいいとされているだけで、金額的にいくらまででなければならないという制限は明記されていません。となると、「大は小を兼ねる」で、とにかく高めに極度額を設定しておけばいいのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、あまりにも極度額が高額過ぎる(この線引き自体がまた難しいのですが・・・)ということになると、極度額の定め自体が公序良俗違反などで効力が否定されることになり、結局、保証契約が無効になってしまうリスクがあります。
なお、改正民法は、基本的に2020年4月以降の契約に適用がありますので、逆に言えば、2020年3月以前の契約については改正前の民法のルールに従うことになります。悩ましいのは、2020年3月以前の賃貸借契約が4月以降に更新された場合ですが、保証契約について「合意による更新」があった場合は、新たな契約と評価して改正民法に従うことになり、自動更新の場合は、新たな契約とは評価できずに、改正前民法に従うことになるのではないかと思います。
- 関連記事
-
- 国土交通省 賃貸住宅管理業法の施行に向けた説明会(サブリース関係)のご案内 (2020/10/14)
- 不動産取引時の重要事項説明の対象として、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を追加 (2020/07/28)
- 新型コロナウイルスとマンション管理組合の通常総会の開催 (2020/04/01)
- 2020年4月から、不動産賃貸借契約における連帯保証人の極度額をいくらにすればよいか? (2020/02/12)
- 「ひょうご宅建プレス」に、不動産売買契約における解約手付の記事が掲載されました (2020/01/20)